蒼い海に溺れて2nd season

なんとなく作ってみたけど、しばらく様子見

杉田宗久裁判長また来たよ

小室哲哉に執行猶予付きの判決が出ましたね。ここでも杉田宗久裁判長が登場です。

音楽著作権の売却話を巡る詐欺事件で、兵庫県芦屋市の会社社長から5億円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた音楽プロデューサー・小室哲哉被告(50)に対し、大阪地裁は11日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)の有罪判決を言い渡した。杉田宗久裁判長は「身勝手な見栄(みえ)から豪奢(ごうしゃ)な生活を続け、犯行に至った経緯や動機に酌むべきものは見いだせない。しかし、被害弁償を終えていることは特筆すべきで、真摯(しんし)に反省している」と述べた。

読売新聞

名裁きだなぁ。この人って結構、関係者の感情なんかを汲み取りつつ冷静に判決下すからね。必要がなければ前科などの話は一切聞かず、その人の犯した罪だけを判断して裁いているという。救える人は救うし、救えない人には容赦ない。過去三回、司法の常識を覆す求刑越え判決を下したお方です。過去にも挙げたけど、名裁きの事例は裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)に数件ほど掲載されています。気になる人はコレ参照。

小室被告は起訴事実を認め、慰謝料を加えた6億円余りを弁済しており、量刑判断が焦点だった。判決が確定すれば、音楽活動に復帰する見通し。

杉田裁判長はまず犯行について検討。「著作権取引制度を悪用したずるがしこい手口で、音楽家としての矜持(きょうじ)をかなぐり捨て、自らの歌の数々を詐欺の道具に用いたことは嘆かわしい」と指摘し、「刑事責任は重いと言わざるを得ない」と述べた。

一方で、詐取額5億円に慰謝料1億円などを合わせた高額の弁償を終えている点に加え、▽小室被告がメンバーのユニット「globe」が所属する「エイベックス・グループ・ホールディングス」(東京)側が更生と再起に協力すると誓約している▽すでに社会的制裁を受けた▽音楽の世界への貢献も評価すべき――などと有利な情状を列挙。「今回ばかりは社会の中で更生する機会を与えることにした」と述べた。

言い渡し後に、「二度とこういうばかなことをしないよう、真っ当な人生を送ってほしい」と説諭した。

小室被告は判決後に記者会見を開いて、「語り尽くせないほど迷惑をかけ、本当に情けない。裁判所に誓ったように正しい道を歩みたい」と改めて謝罪し、再起への思いを語った。判決によると、小室被告は2006年7〜8月、著作権806曲分の大半を音楽出版会社に譲渡していたのに、芦屋市の社長に、「全部、僕にあります」などとうそを言い、売却代金(10億円)のうち5億円を詐取した。


検察「妥当な内容」
榊原一夫・大阪地検公判部長の話「事実関係について検察官の主張が認められ、おおむね妥当な内容と考える。執行猶予が付いたのは、被害者への弁償がなされたことなどを踏まえた判断だと認識している」

読売新聞

判決に対する検察側の反応がこの様子だとこのまま判決が確定して終わるかな。上手く処理したもんだよ。単純に量刑にしただけでは揉めることもあるだろうから、裁判官の技量が試されると思います。賠償をしっかりやってはいるが詐欺の額が大きいから執行猶予を出すってのも結構難しいでしょう。検察側が納得しなかったら意味がないわけで。

判決で杉田裁判長は「音楽の世界に社会的貢献をしてきたことは正当に評価されなければならない」と述べ、言い渡し後には、初心に立ち返るよう諭した。

読売新聞

つらい立場の人にこの言葉はたまらなく嬉しいだろうなぁ。つうかそういう有り難い言葉を最も適切な言葉を投げかけるのも杉田裁判官のスゴいところだと思う。もうね、感激した。